永江文字について

究極の印鑑「永江文字」について

~印の種類によって適した書体があります~

当店では「永江文字」というオリジナルの印鑑専用文字を使用しております。
「永江文字」とは創業者である永江宏安が、その生涯をかけて生み出した究極の印鑑専用文字です。

吉相体とは?

昭和初期に日本人印鑑業者によって篆書体を基本として考案された書体です。それまで篆書体で彫刻された印鑑は、文字が輪郭内に接する正方形の中に収まる為、「周囲から圧迫され伸張・飛躍を感じない」と不満を持つ人も出てきました。そこで、正方形を円外に設け文字を大きくするとともに、線尾を拡伸湾曲させることにより広がりを持たせました。また、輪郭の八方位に住居・家族・希望・才能・名声・愛情・社交・蓄財の八つの富があるとし、それに向けて文字線が伸張していくべきだとする考えが、多くの人々に受け入れられました。 このことから別名八方篆書とも言われるようになりました。線が複雑に入り組んでいる為、偽造が困難なことからも実印・銀行印に用いられています。

永江吉相体とは?

上記の吉相体の特長をふまえ、より印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、物事の全てには中心が一つだけ存在するという考え(中心帰一)に基づき中心を求めます。そして、線が中心から先の八方位にムラ無く広がり伸びて行くように書き下ろします。その際、大事なのは中の文字は生命体の象徴であるということです。従って、線は力強く、且つリズムを持った生きた線を書くのが肝要と考えます。つまりは、円の中の文字は自己、輪郭は自己を取り巻く環境であり、その環境の中で小さく生きるのではなく環境を超えて飛躍するように、輪郭を超越するような文字を大きく書くのです。更に具体的に言うならば、線は太く、直線を生かしながらも躍動させ、円内全ての文字を連理させて一つの生命体を表現するのです。捺印した際の印影の朱と白のバランスは上・横・下・斜めの何れから見ても美しく、その玄妙な様子が多くの方々からご支持をいただいている所以です。 これが吉相体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 永江篆書体を更に複雑にした感じですね。

パソコン内蔵の
吉相体
永江吉相体

篆書体とは?

古代、中国において占いの為に亀の甲や骨に刻んでいた文字(甲骨文字)や祭礼に用いられる青銅器に鋳刻された文字(金文)が進化し、紙の無い時代に石などに彫刻するための文字(大篆)として生まれました。しかしながら、各地方ごとに相違があったため、万里の長城を築いた秦の始皇帝が、中国全土を統一した際に篆書体の制定をし、全土統一文字(小篆)が生まれました。現在の印鑑用の篆書体はこの小篆を基にした印篆という書体のことを指します。文字は水平・垂直の線を基本とし、均一な線幅が特長です。日本銀行発行の紙幣にも用いられており、整然とした中にも風格を感じさせる書体は法人印・個人印を問わず、全ての印鑑に適しています。

永江篆書体とは?

上記の篆書体の特長をふまえ、より印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、用途及び文字数に応じて、太篆書体と細篆書体の何れが相応しいかを選択します。太篆書体の場合の輪郭線は文字より細く、細篆書体の場合の輪郭線は文字より太くすることにより全体の調和を図ります。そして、輪郭内の上下左右の空間が狭くなるよう出来るだけ大きな文字を均等な線で書き下ろします。 その際、線と隙間のバランスに最大限の注意を払うとともに、線の終わりの止めは丁寧に丸みをおびさせます(注) 永江篆書体は、他の篆書体と比べ直線的でスッキリとした美しさ、生き生きとした生命感を感じる文字が特長です。上記の通り、確かに篆書体は直線を活かした書体ではありますが、あくまで従来の書体に比べればということであり、そのまま印鑑に用いれば弱々しい曲線と周囲からの圧迫を受けているような閉塞感を感じてしまいます。そこで、印鑑に相応しい文字にするため、曲線は速やかに水平・垂直の線と交差するように曲げると共に、輪郭内の空白を出来るだけ無くすよう直線は限界まで伸びやかに延伸させることによりスッキリとした美しさと生命力が感じられる文字が出来るのです。最後に太篆書体はあくまで力強く、細篆書体はさらに華麗・流麗に仕上げていきます。 これが篆書体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。
※注)正確に言うと線の止めには三種類あります。縦三本線を例に挙げれば、真ん中の線は線幅を左右対称に、左の線は線幅の右辺を長く、右の線は左辺を長くします。 吉相体まで崩さない、一歩手前的な感じです。

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篆書体
永江篆書体

古印体とは?

大和古印体と呼ばれている奈良時代の寺社印で、隷書体を基に丸みを加えた日本で進化した独特の印鑑用の書体です。程よい虫喰い、墨だまりが風雅な趣を醸し出す奥深い書体です。ドッシリとした文字バランスとスッキリとした筆書きの風合いが重なり、読みやすい為、トラブルが少なく認印に適しています。

永江古印体とは?

上記の古印体の特長をふまえ、より印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、文字となる朱の部分の線を、力強く太字で書き下ろします。この際に、文字の始まりや終わりを輪郭に繋げ、墨溜まりを表現します。文字自体は平体調にし、出来るだけ空間を使った大きな太い文字を書きます。線の終わりの止めは、丸みをおびさせます。 永江古印体は、他の古印体と比べ、文字の切れや歪みが少なく、太くドッシリとした大きな文字が特長です。これは古印体特有の虫喰い感のある歪んだ文字は、「点や文字欠けと間違うので止めて欲しい」というお客様からのニーズが多かったため、近年に改良いたしました。また、古印体の持つ風合いの一つである墨だまりは、文字の始まりや終わりを輪郭に繋げることで活かしつつ、文字をより大きく表現しています。これが、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 比較的、隷書体に近い感じです。

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古印体
永江古印体

隷書体とは?

始皇帝が統一し広めた篆書体(小篆)は端正でとても美しいのですが、あくまで彫刻用の文字であり、いざ書くとなると画数も多くとても困難であり実用性に欠ける文字でした。隷書体の起源は秦の時代、雲陽の獄中投獄されていた程バクという者が獄中で苦思10年間の末、篆書体を簡略化し筆書きに適した新書体3000字を作り出し、それを始皇帝に差し出したのが始まりと言われていますが、用例自体はそれより古く戦国時代頃に始まり、伝説に過ぎないとされています。筆記体として発生し、その為に小篆を凌駕し、漢の時代には一般的に広く使われるようになりました。「隷」とは下級役人の意でもあります。文字の特徴として、横の線が弦のようにしなっていることと、書き出しが下方から始まり止めが少し上向きになっていること、左右の払いで波打つような運筆を持つ文字であることが挙げられます。読みやすく品のある流麗な書体ですが、一字一字が横長であるため、縦配列の認印に適した書体です。

永江隷書体とは?

上記の隷書体の特長をより一層強調するとともに、もともと筆記用である書体を更に印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、文字となる朱の部分の線を、書道の隷書体を書くタッチで力強く太字で書き下ろします。線は左斜め下から右斜め上に向けて書き始め、横線は弧を描くように多少しならせます。隷書体は吉相体・篆書体・古印体と異なり書道のタッチとなりますので、払いや跳ね、止めなどを基本に忠実に表現しつつ、線に強弱をつけながら出来るだけ大きな文字にします。 永江隷書体は、他の隷書体と比べ線が太く、繊細且つ貫禄のある大きな文字が特長です。そもそも隷書体は彫刻用に生まれた文字で、線が細めなのが一般的です。しかし、そのまま印鑑の文字として使用すると、弱々しく、貫禄の無い感じがします。そこで、印鑑に相応しい文字にするため、出来るだけ空間を使った大きな太文字にすることで、繊細且つ貫禄のある美しい文字が出来るのです。これが隷書体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 古印体と楷書体の中間的なイメージの文字です。

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隷書体
永江隷書体

楷書体とは?

後漢の時代に章草から草書体が生まれると共に、隷書体が簡略化されて楷書体が生まれました。日常のあらゆるところで用いている馴染み深い標準書体です。特徴として、どんなに拡大してもその文字が崩れず、画と画の間はつかず離れず縦線はピリッと締まった背勢の姿をしてます。また、懐の大きい端正な字として活字の基になったとも言われており、線が円を描くような形です。活字のようにピリッとした端正な文字と言えるでしょう。認印に適しています。

永江楷書体とは?

上記の楷書体の特長をより一層強調するとともに、もともと筆記用である書体を更に印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、文字となる朱の部分の線を、書道の楷書体を書くタッチで力強く太字で書き下ろします。線は左斜め上から右斜め下に向けて書き始め、横線は多少弧を描くようにします。そして、払いや跳ね、止めなどを基本に忠実に表現しつつ、線に強弱をつけながら、横長の出来るだけ空間を使った大きな文字にします。 永江楷書体は、他の楷書体と比べ線が太く、キリッと迫力のある、横長の大きな文字が特長です。書道の楷書体は、払いや跳ねなどの尾の部分がシャープで非常に細いため、そのまま印鑑の文字として使用すると、か細く、キリッとした迫力がありません。そこで、印鑑に相応しい文字にするため、文字を横長にし出来るだけ空間を使った大きな太文字にすることで、払いや跳ねなどの尾の部分まで肉厚にでき、キリッと迫力のある綺麗な文字が出来るのです。これが楷書体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 永江隷書体に比べて比較的スッキリしており、シャープな感じですね。

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楷書体
永江楷書体

行書体とは?

後漢(紀元25~222頃まで)の時代に隷書体が簡略化されて楷書体が生まれましたが、更に楷書体を早く書け る様に劉徳昇によって行書体が出来たとされています。新書体は、文字を早く書こうとする必然性から生まれたのです。色々な資料によると、行書体とは「楷書体を簡易にし相交え行流する意」と書かれています。特長として、楷書体より崩れていて草書体ほど崩れていない中間的な書体で、その優雅な風格から女性に良く好まれます。認印に適しています。

永江行書体とは?

上記の行書体の特長をより一層強調するとともに、もともと筆記用である書体を更に印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、文字となる朱の部分の線を、書道の行書体を書くタッチで力強く太字で書き下ろします。永江隷書体同様、文字の一部を輪郭に付けることで、奥行きと広がりを表現します。線は楷書体同様、左斜め上から右斜め下に向けて書き始めますが、その際、楷書体と違い、筆の流れる躍動感を表現するため、細かな払いを強調させます。行書体も書道のタッチとなりますので、払いや跳ね、止めなどを基本に忠実に表現しつつ、線に強弱をつけながら、横長の出来るだけ空間を使った大きな文字にしていきます。 永江行書体は他の行書体と比べ線が太く、躍動感ある横長の大きな文字が特長です。書道の行書体は、楷書体同様、払いや跳ねなどの尾の部分がシャープで非常に細いため、そのまま印鑑の文字として使用すると、か細く、躍動感がありません。そこで、印鑑に相応しい文字にするため、文字を横長にし、出来るだけ空間を使った大きな太文字にすることで、払いや跳ねなどの尾の部分まで肉厚にでき、躍動感のある綺麗な文字が出来るのです。これが行書体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 永江楷書体と永江草書体の中間的な書体です。

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行書体
永江行書体

草書体とは?

前漢(紀元前40年頃)の頃、史游という人により隷書体を早く書くために簡略化した章草が創られました。現在、章草は使われていませんが、今の草書体の基、草書体の出来る過程の文字になる書体です。つまり、隷書体の略字体が章草であり、章草の略字体が草書体である訳です。楷書体より行書体また草書体と書体が柔らかくなる反面、読みづらくなります。筆の流れを彫刻で表現するのは非常に技術のいる文字ですが、線の強弱を上手く表現出来れば、非常に優雅で綺麗な文字です。認印に適しています。

永江草書体とは?

上記の草書体の特長をより一層強調するとともに、もともと筆記用である書体を更に印鑑に相応しい文字にすべく次のようにアレンジしたものです。まず、文字となる朱の部分の線を、書道の草書体を書くタッチで、繊細且つ優雅な強弱の波をつけながら、一筆書きにて書き下ろします。この際、筆の流れでバランスが崩れないように注意します。永江隷書体同様、文字の一部を輪郭に付けることで、奥行きと広がりを表現します。隷書体・楷書体・行書体同様、書道特有の払いや跳ね、止めなどを基本に忠実に表現しつつ、筆の流れを活かしながら、横長の出来るだけ空間を使った大きな文字にします。 永江草書体は他の草書体と比べ線が太く、優雅な横長の大きな文字が特長です。そもそも草書体は早書き用に生まれた文字で、書道では縦長の文字が一般的です。しかし、そのまま印鑑の文字として使用すると、空間が空きすぎて貧弱な感じがします。そこで、印鑑に相応しい文字にするため、文字を横長にし出来るだけ空間を使った大きな文字にすることで、優雅な美しい文字が出来るのです。これが草書体の基本を忠実に踏まえた上で、より印鑑に相応しい文字を作り上げていく永江印祥堂独自の考えと技術です。 永江行書体を更に崩したような書体です。

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草書体
永江草書体

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